元祖 放牧黒豚
黒豚の可愛らしさに魅せられて
かごしま黒豚の血統を守る決意
沖田黒豚牧場
代表取締役 沖田健治
きゅっと上を向いた短い鼻はなんともユーモラス
幼い頃から黒豚が大好きでした。特にきゅっと上を向いた短い鼻はなんともユーモラスで可愛さにあふれています。地元の高校を卒業後、鹿児島県家畜試験場での研修を経て、15年間JAの家畜指導員をしていました。一頭一頭の顔が違うところも愛嬌を感じるものです。
昭和40年代まで、牧場の辺りは牛の放牧場でした。国有林を借りて、地元の田代地区の人々が共同で夏限定の運営を行い牛を放つのです。時代は高度経済成長期、若者は都会に憧れ、地元で放牧をする農家も少なくなりました。閉鎖の話が出たところ、「この場所で豚の放牧をしてみては」と初代・速男が手を挙げたのが沖田牧場の始まりでした。
豚を放牧地に放ち、開墾
森林と草に覆われた牧場をまずは開墾しなければなりませんでした。豚は鼻で土を掘ったり泥遊びが大好き。その習性を上手に使って、豚を放牧地に放ち、開墾を始めました。
すると放牧の黒豚が美味しいという評判が立ち、本格的な放牧黒豚を育てることに。昭和50年頃の話です。当初は苦難の連続で、自然の中にいる雑菌によって黒豚が病気になるというトラブルも多かったのです。牧場の土をトラクターなどで掘り起こし、表土の刷新を図るなど、様々な試みにトライ。現在の健康で尚且つ美味しい黒豚の生産に繋がっているのです。
アイディアと言い出したら引かない実行力で、沖田黒豚牧場の礎を築いた初代・速男の志。受け継ぎながらさらに進化させてゆきたいと、牧場民宿レストランも開業し、現在進行形で努力を重ねています。
血統を守る
沖田黒豚は純粋なかごしま黒豚です。
明治時代、鹿児島在来の黒豚とイギリス原産バークシャ―種を掛け合わせて誕生しました。その血統や飼育法、餌の伝統を守るため手を挙げたのが、初代・速男は1993年に鹿児島県黒豚生産者協議会を立ち上げに関わり、10期20年にわたり会長職を努めました。
沖田黒豚はその血統を守り続けています。筋繊維が細やかで、保水力があるので、ジューシー。そして脂の融点が高いため、べとつかず、さっぱりと旨さを堪能できるのです。
天空の放牧場
東京ドーム2.5個分の広さ(110,000㎡)の牧場
牧場は丘になっていて、水はけが良く、病気の発生を抑制する地形となっています。11万㎡の丘の中に5千㎡の牧場が4か所。残りの敷地は休ませて、自然の力で地力をよみがえらせます。固めの粘土質の土壌の土を豚たちは掘り起こし、新鮮で栄養価の高い土を選んで食べています。
出産
家族で心を込めて、出産から肥育へ
通常より1~2ヶ月も長い飼育期間。沖田黒豚は9~10カ月間と長くゆっくり育んで出荷します。
出産は主に次男の沖田歩の担当です。黒豚は一頭から生まれる頭数が少なく、6~8頭の赤ちゃんが誕生します。生まれて1週間は注意が必要な時期。赤ちゃん豚の体調を我が子のように見守るのです。豚舎内の温度を一定に保ち、一頭一頭の乳を飲む量にも注視して、赤ちゃん豚が元気に育つのを手助けします。沖田黒豚牧場では生後1か月は母豚と一緒に過ごします。ストレスのない豚たちは、人間も大好き。豚舎に行くと寄って来る姿はなんとも可愛いものです。
餌
自家配合の餌でおいしく食べて健やかに育てる
肉の味に直接かかわる餌。さつま芋、麦、米ぬか、大豆かすなどを自分たちでブレンド。更に発酵させて、味噌のような芳しい香りがする飼料は豚たちも大喜びです。
スタッフ紹介
初代の速男から受け継いだ沖田黒豚牧場。
健康で美味しい黒豚のため、家族一同で頑張っています。
父:沖田健治
代表取締役
幼い頃から黒豚が大好きでした。豚の中でも黒豚のきゅっと曲がった鼻が愛らしいです。
母:沖田一代
精肉販売担当
皆さんに沖田黒豚を知っていただき、沢山の方に食べてもらいたいです。
次男:沖田歩
養豚担当取締役
子豚はとてもかわいいです。ストレスがないから豚が人に近寄ってきます。
次男嫁:沖田恵
精肉販売担当
実家は農家とは縁のない家でしたが、今では仕事にも慣れて楽しくやっています。
長男:沖田大作
レストラン担当取締役
大切に育てた沖田黒豚を、皆さんに美味しく召し上がっていただきます。